築130 年の古民家をモダンに住み継ぐ
この春、京都から名古屋に転居した岡本さん一家。建築家である施主自ら改修設計した古民家は、工務店の技で住み心地の良い空間に生まれ変わった。
懐かしい住まいを工務店と再生する
名古屋駅から車で10分ほどの住宅街。瓦をのせた板塀に続く門をくぐると、庭の先には瓦屋根と虫籠窓が印象的な古民家が現れる。周囲にはマンションなども建つ中、ひときわ重厚な佇まいの建物が、建築家・岡本一真さんと奥さん、そして3人のお子さんの新たな住まいだ。
「ここはもともと、私の祖父母が暮らしていた家でした」と話す一真さん。「父が転勤が多かったこともあり、私自身は1歳半までしか暮らしませんでしたが、お盆や正月には帰省していた思い出深い家です。長らく空き家になっていたのですが、年齢を重ねるほどに住み継ぎたいという思いが強くなりました」。実家とはいうものの、長年京都で建築家として活動し、家庭を築いた一真さんにとって、名古屋は数十年間離れていた土地。まして家族にとっては未知の場所でもあり、迷いもあったという。
所在地:愛知県名古屋市
家族構成:夫婦+子ども3人
敷地面積:834 .64㎡
延床面積:294 .92㎡
竣工:2018年4月(工期2017年7月~ 2018年4月)
設計:岡本一真
施工:㈲勇建工業
構造形式:木造軸組工法
主な外部仕上げ
屋根=瓦葺き 軒天井=杉板張り
外壁=土佐漆喰、焼杉目板張り
主な内部仕上げ
天井=杉板張り、一部ハンダ仕上げ
壁=土佐漆喰
床=クルミ板張り、一部石灰岩