入れなどの花教室や近しい作家たちのギャラリーとして開放している。その時は、通り庭から上がってもらうから、台所も人目に触れてしまうのだが……。「それでいいんです。生活の気配も感じてもらうことで、和花を気負わず暮らしに取り入れてほしいから」。 仕事と暮らしの場に溢れる草花は、契約している野山で生き生きと育ったものばかり。それらを自らの審美眼に叶うままにしつらえる。「花器や板敷き、そして空間……こうした背景が大事だと思うんです」。古道具品や民芸品を花器に転じてみたり、板敷きには骨董市で出会った流木や奥の板の間は、ギャラリーとして使っていない時は同世代の仲間たちで集まる場にも。古い座卓には、美華さんによる京野菜を中心とした料理がずらりと並ぶ。器は市川孝、石井直人、田中茂雄などを中心に。
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