雑誌「チルチンびと」80号掲載「アメリカの古材」
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60協力・GALLUP 写真・浦川一憲アメリカの古材Old American Woodそれは履き古したジーンズのような 日本の古材が黒光りするストイックな美をまとい、傷も修復した上で蘇らせるのに対して、アメリカの古材は、多少の傷や汚れすらも受け止める、ざっくばらんな魅力が信条。ただ、日本とアメリカでは、一口に木造住宅といっても、家のつくりが異なるので、古材として使える材、そして使い方も、日本のものと同じようにはいきません。 今回話をうかがったのは、東京・神奈川に3店舗を構えるアメリカ古材・ヴィンテージ家具の専門店「GALLUP(ギャラップ)」。38ページの「工藤邸」を手がけた、「ラスティックゴールド」と同じく、前身はアメリカの古着を扱う店。古着をディスプレイする空間づくりのため、古材を輸入し始めたのが、家具・建材にかかわるきっかけだったとか。 日本では古民家の板材に加え、柱梁などの構造材を現在も使うことができますが、「GALLUP」で扱う古材は板材が主流。柱梁アメリカの古材は構造材より板材が主流欧米の家は日本の古民家のように、木材を軸に仕口をつくって組み上げるティンバーフレーム工法から、製材品と釘の量産化とともに、厚板(プランク)を打ち付けるプランク工法や、壁と2階床の強さで家をもたせる2×4工法が誕生した。ただし、古いものを尊ぶ欧米では、ティンバーフレームの古材が人気でなかなか日本まで入ってこない。外国の古材を使うのなら、北米の板材が一般的だ。(作図・鈴木 聡/TRON/OFFice)欧米の古材は、働き続けた板材が中心プランクフレームのバーン(納屋)ティンバーフレームの民家厚板でできたアメリカのバーン。(提供・GALLUP)イギリスのティンバーフレーム。(提供・堀江享 ストラットフォード・アポン・エイボン近郊)GALLUPでは柱梁材も扱うが、構造材ではなく化粧材としての使用が中心。

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